shigerico blog

北欧を中心に、幸せな生き方と教育の在り方を探求する旅をしていました。現地で見て、聞いて、感じた学びを発信しています。共に学び、応援し合えるごちゃまぜ共創空間をつくりたい!

高校生主体の学校イベント、YOKOSOプロジェクトに参加!

 
 
10月12日、フィンランドのVieremäという地域にある高校で行われた日本文化を体験するプロジェクトにゲストティーチャーとして参加させていただきました。
 
 
始まりは、校長先生からの一本の電話。
「再来週の金曜日にJAPAN DAYがあるんだけど、来れない?」

 

この時は全く知らない人だったので(なぜ私の携帯番号を知ってる!?)驚きが隠せなかったのですが、後から話を聞くと、私が通わせていただいている小学校の先生から日本の大学生が来ていると聞きつけて連絡を下さったとのこと。
今回はたまたまかもしれませんが、学校を超えた先生同士の学び合いがあったりするそうで、繋がりを実際に感じた出来事の一つです。別の例を挙げると、1ヶ月私のホストファミリーになってくださる方が見つかったのも、先生同士の繋がりがあったからでした。

 

そして当日。

 車で30分、学校に向かうと、、、

 

 

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学校全体に日本に関連するの写真が!

 


この高校では、毎タームの最後の日に今回のようなプロジェクトデーを設けていて、全て生徒たちが企画して開催します。
柔道、折り紙、カタカナ、そして私が入らせていただいたお寿司とお好み焼き作り。
 
この日は他の高校の生徒たちも呼び、1時間ずつ各コーナーをまわります。(お好み焼き屋でバイトしててよかった〜
 

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巻くのに苦労しながらも、楽しんでくれました!

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久々の白米に、私が感動



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こちらはお好み焼き、キャベツ2玉分作りました



 

  

8月が学校のスタートなのでまだ日本について学び始めたばかりですが、来春には集大成として、修学旅行で日本へ!
 
 
ここでおもしろいのが、修学旅行先をいくつかの中から自分で選び、事前にその国について学習するのです。(しかも座学だけではなく、やってみて学べる!)
デンマークツアーの時に事前に訪問国について学ぶことの大事さをとても実感したので、まさにそれが学校で行われていることに感動しました。

 

 

これにて、フィンランドの学校訪問が終了。
この地でのたくさんの素敵な縁に感謝!幸せなことに、どこか行く度に帰ってきたい場所がまた一つ、また一つと増えていきます。世界一幸せな国と言われるフィンランドでの生活、本当に幸せでした!!

 

そして月曜日からは、イギリスへ。
理由は後々、、!

 

「突っ込む勇気」を持ち続けて、新たな地でも頑張ります。
 
 
 

フィンランド小学校でのモンテッソーリ教育、その教具が実におもしろい!

 
 
どうも、しげりこです。
現在、フィンランドの小学校で1ヶ月のインターンをさせていただいてます。
 
 
その小学校の1、2年生のクラスでは、学校の意向でモンテッソーリ教育が取り入れられています。面白い発見と学びがたくさんだったので、今日はそのクラスについてシェアしたいと思います。
 
 

1.   モンテッソーリ教育とは?

 
医師であり、教育家でもあるマリア・モンテッソーリが考案したのが始まり。「子どもには、自分を育てる能力が備わっている」という「自己教育力」の存在をモンテッソーリ教育では前提としています。
 
詳しくは、日本モンテッソーリ教育綜合研究所のサイトでまとめられているので、こちらを参考にしてください!
 
 
日本でも実施している園がたくさんあるようです。
 
 

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そしてここは、わたしが入らせてもらっているクラスの教室。
フィンランド語や算数の授業に加えて毎日1時間ほどモンテッソーリの時間があります。
 
やってみたいと思える環境づくりを大切にしていて、子どもたちは自ら教材を選び、取り組んでいました。
 
 
ここがポイント!
・完全な個人学習かと思えば、毎日違う人と学年を超えてペアになり、教えあう姿がたくさん見られる。
→ 個人学習よりも共同学習のイメージでした。
 
完全に自由というわけではなく、子どもたちは張り出されたものの中から今日取り組むものを決める。
→ 何をしていいか分からない子はおらず、子どもたちはすぐに学習に取りかかっていました。
 

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紙に書かれているのが、今日のモンテッソーリ教材



それぞれ段階を踏んでステップアップしていける仕組みになっているそう。

このモンテッソーリ教育の仕組みは複雑で、このクラスの担任の先生は10年間通常クラスでの教師をした後に、2年間モンテッソーリの勉強をして今に至ると話してくれました。
 
 
 
 
そして何といっても、このモンテッソーリで学んでいる時間、子どもたちの集中力がすごい!
 
 
やりたくないという子どもはおらず、みんな教材に夢中でした。教材がたくさんありすぎるので取り合いになることもなく、料理バイキングのように自分の好きなものを手にとって、子どもたちは学習し始めます。
 
任せすぎない自由があり、この考え方は日本でも活かせそうな気がします。何でもやっていいよと言うと、子どもたちは逆に迷ってしまうので。
 
 
 
 

2.   数は100以上!?モンテッソーリ教具

 
子どもは毎回異なる教材に取り組んでいます。一体この教室内にはいくつの教材が用意されているのか?
 
ズバリ!先生に尋ねてみました。
 
 

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すると、
 
先生:「わたしも分からないわ。でも1つの棚で、1、2、3(数え始める) ……… 10個以上あるわね。」
 
 
 
 
とのことで、教室に棚はこれまた10個以上あるので、教材は100を超えます。
100個以上メニューがある料理バイキング、そりゃ楽しくて行きたくなっちゃいますよね。
 
 
今回、全部を紹介することはできないので、わたしが見たうちのいくつかを紹介します。
 
 
 
フィンランド語の学習教材
 

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絵を見て単語を作ります。紙に書くのではなく、並べることで手先の感覚も養われると先生は話してくれました。色の違いは母音と子音を表しています。
 

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フィンランド語は、単数形と複数形では大きく語が変わる厄介者。実際に自分でものを並べ、その違いを覚えていきます。
 
 
 
②算数の学習教材
 

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視覚的、感覚的に捉えることができるブロック。これが本当に算数の学習に重宝する!!
100という数、1000という数、書くのは簡単だけれども、実際どのくらい大きい数なのか。子どもにとって一発で理解できる教材です。
 

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1〜10まで、それぞれの数で繋がったブロックもあり、様々な計算に利用することができます。
 
そして、1週間子どもを見ていると変化が!
はじめは二桁の足し算に苦労し、ブロックを使って1つひとつ数えていた子が次の週ではほとんど使わずに計算できるようになっていました。日本でいうそろばんに近いのかもしれません。
 
 
 
③教養を身につける学習教材
 

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生活科のような授業はわたしが見た中ではありませんでしたが、哺乳類や爬虫類など、生物の分類もモンテッソーリ教材を使い、低学年から行なっています。
 
 

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こちらは本物のキノコ。実際にどの種類のキノコなのか、写真を見ながら考えていました。果実のベリーverもあり、これらが自然に溢れているフィンランドならではです。

 

 

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動物の名前もミニチュアのアニマルたちを使って。これらの学習はフィンランド語の学習とも絡んできそうです。

 
 
 
④感覚を身につける学習教材
 

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最後に、とても面白かったのがこちら。
 
やすりの粗さが同じペアを目隠しをして手の感覚だけで見つける教材。わたしは2ペアしか合わせることができませんでした(笑)
とても微妙な粗さの違いなんですが、子どもたちは手先で敏感に判断していました。中には一瞬で全部正解する子も。
 
 
先生は教科書からではなく、実際にものに触れて感覚的に学ぶことが子どもにとってすごくいいと話していました。算数は特に、平面の教科書ではなく、立体の図形を触って、並べて、はじめて理解する子がたくさんいます。
 
 
 

3.   モンテッソーリ教育を成り立たせている背景

 
ここで1つ疑問。
 
公立小学校にも関わらず、この100以上の教材を準備するお金は一体どこからきているのか?
 
 
先生に尋ねてみると、全て学校が買っているそう。つまりは学校にお金を支給する自治体や国から。モンテッソーリ教育をするということを提示し、他の学校よりも少し多くのお金をもらっているそうです。
 
 

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上の写真は、子どもが教材に取り組むと色を塗っていくシステム。
 
緑:とてもよくできた
オレンジ:よくできた
赤:もう少し
 
となっています。自分で評価して色を塗り、できていないところは改めて先生がサポートします。
 
 
 
また、この学校は低学年2クラスあり、モンテッソーリを取り入れているクラスとそうでないクラスがあります。どのようにクラス分けを行っているのか聞いたところ、この学校では入学時に親に向けて希望調査をしているそうです。
最終的な判断は校長先生がするものの、毎年それなりにうまく別れていると聞きました。
 
もう1つのクラスでもフィンランドならではと思わされる場面がたくさんあったので、こちらはまた発信します。
 
 
 
 
フィンランドでの生活もいよいよ折り返し。
国の制度は全く違うけれど、何か日本へのヒントになりそうな部分を考え、探し続けたいと思います。
 
 
では、今日はこの辺で!(^^)
 
 
 
 

子どもを伸ばす、フィンランドのユニークな〇〇 その②

 
 
 
放課後に学校で行われているアフタースクールでの出来事。
 
「今日は馬になりましょう!」
 
 
 
ん??馬になる!?
(前回同様、このくだりです。まだ見ていない方はぜひ!)
 
 
 
馬のごっこ遊び?
 
 
とりあえず、その遊びが行われている体育館をのぞきます。
 
 

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子どもたちは即座にハードルを並べたり、コーンを並べたりとコースを作っていました。
 
何かのレースが始まるのかな?と思った時に、
 
 
 
 

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出ました!!これぞ、馬。
 
 
日本でも見たことある人はいるかもしれません。
私も、この道具自体は初見ではなかったのですが、大阪にいるとどうしてもネタに走りがち。モノボケにでも使うものかな〜くらいしか思っておりませんでした!笑
 
 
この馬の棒にまたがって走ったり、スキップしたり。子どもたちはとても楽しげに馬になりきっていました。
 
 
実はこの遊び、フィンランドでは一種のスポーツになるほど、子どもたちには人気なそうで、
「ケッピヘネボン(棒馬)」と言われています。
 
足の速さだけではなく、障害物をうまく乗り越えられるかだけでもなく、いかに馬になりきれるか、を子どもたちは見ています。
 
 
 
実は、ホームステイのお家にもしっかりとありました。
 

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3人子どもがいるから、1人1つ計算なのでしょうか?笑
こちらのヘネボンたちは、手作りのようです。
 
 
今回私が見たのは狭いホールの中だけだったので、さらに広いところで行われるこの馬競技を想像すると、楽しくなります。
 
先生によると、年に一度大会があり、今年は10歳〜18歳で 200人もの人たちが選手として参加したそうです。驚きました。ぜひ一度、見てみたいものです。
 
 
 
最後に、アフタースクールについても少し書きます。
これは日本で言う児童クラブ(学童)のようなもので、放課後、親が迎えに来るまで子どもたちがアクティビティをして過ごす場所です。
 
先生は、基本的に担任をサポートしている先生たちがアフタースクールの先生となります。担任の先生は次の日の授業準備をするので、うまく分担されているイメージでした。
 
 
とてもいいなと思ったのが、子どもたちで話し合ってアクティビティを決定していること。
次の週は何がしたいか、木曜日に子どもたちで意見を出し合い、話し合う時間が設けられていました。
 
 
今回の馬遊びも子どもたちからの意見です。
やりたい人を募り、決めた時間になると集まります。もちろんやりたくない子は別のことをしていても構いません。
 
 

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1週間の予定です。音楽や、スポーツはもちろん、映画を見る日もあります。



 
自由と主体性がこのアフタースクールではとても大切にされているように感じます。
 
 
 
ここで疑問。
 
わたし:「先生の労働時間は長くならないのですか?」
 
先生:「4時ごろになると、迎えに来る親が大抵なので子どもの人数も減ってくる。私の勤務は今日は5時までだけど、明日は4時。順番に交代して、残っているわ。」
 
とのこと。
 
他の仕事に比べれば帰りは遅いけれど、その分朝は少し遅い日があったり。先生同士で話し合い、勤務時間もうまく調節しているそうです。
 
 
 
以上、
 
子どもを伸ばす、フィンランドのユニークな遊び(ケッピヘネボン)でした。またおもしろい遊びがあれば発信しますね!
 
 
 
 

子どもを伸ばす、フィンランドのユニークな〇〇 その①

 

 

ホストマザーは私に言いました。

「明日、娘がロープの習い事に行くんだけど一緒に行かない?」

 

 

ん??ロープの習い事!?

 

綱引き?ターザン?カウボーイ?

一体どんなことをするのか。

気になりはしたものの、とりあえず一言。

「行きます!」

 

 

そして車を走らせること10分、到着したのは体育館のような場所。

前のクラスが利用しているときは中を見ることができないので、扉が開くまでわくわく待ちます。

 

 

 

 

 

そして開かれた先には、

 

 

 

 

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ロープ!

 

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ロープ!!

家の中にもあったこのロープ!!!

 

 

実はここ、日本でいう体操教室。

子どもたちはこのロープを含む体を動かすコースを20分ほど走ってまわり続けていました。

 

もちろん競うことはせず、大事なのは自分のペースでできるところまで頑張ることです。

 

 

コースの全体像を撮れなかったので、簡単なイラストにしてみるとこんな感じ。

 

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このコースは2週間ごとに変わります。

子どもたちは手や足を使い、バランス力や握力はもちろん、どうしたらコースを越えられるかの思考力・判断力も身につけることができます。

ちなみに、わたしが見たのは5歳・6歳の小学校に入る前の子どもたちが集まるクラス。小さな地域ですが、20人ほどが集まっていました。

 

 

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これぞまさに、ミニSASUKE。

 

 

アシスタントの先生は5人いて、特にブロックゾーンで後転や前転ができるようサポートしていました。中には学生や、学校の先生も。

 

 

わたし:「フィンランドでは先生が副業することは可能なんですか?」

 

先生:「これはボランティアとして好きでやっているのよ。」

 

 

と、にこやかに答えてくれた先生。

仕事が早く終わるからこそ、こういった学校とは別の教室を持ち、サポートすることができる。素敵です。

 

ちなみに、私のホストマザーもプレスクール(小学校に入る前の子どもが行く学校)の先生をしながら子ども向けのダンス教室を持っていました。

 

 

そしてミニSASUKEが終わったかと思うと、最後にはこれまた面白いアクティビティが!

 

 

①みんなで顔が見えるように、1つの円になりましょう。

②今からケーキを作ります。ケーキ作る行程を1人1つ言い、体でアクションしてみましょう。

③さあ、ケーキができました!みんなで食べましょう!!!

 

 

んんん!?想像つきますか?

もちろん、ここでのケーキは想像上の超大きなケーキ。みんなで作った円の中に、ケーキがあるように見立てます。

 

 

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「生地を混ぜます」

といえば、みんなでぐるぐると手を大きく動かし、

 

「砂糖を入れます」

といえば、パッパと手を前に突き出して振り、

 

「焼きます」

といえば、みんな燃え盛る炎のようになります。

 

 

ピザなど、他の食べ物の回もあったそうで、毎週テーマが変わります。

なんてユニークなんだ、!

 

フィンランドをそっくりそのまま持ち帰ることはできないけれど、こういうアクティビティ1つひとつにどんな意味があるのか考えながら、日本の子どもはどんな反応をするだろうと考えてみると楽しくなります。

 

 

以上、

子どもを伸ばす、フィンランドのユニークな習い事でした!

 

 

 

散歩は森の中!?フィンランド、イーサルミでの生活

 
 
こんにちは!
フィンランド、イーサルミでの学校インターンとホームステイを始めてから1週間がたちました。
 
今日はフィンランド家族の1日の過ごし方について書きたいと思います。
 
 
 
1.  イーサルミってどんな場所?
 

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ヘルシンキから電車で5時間半
約2万2000人が住む小さな地域です。(ちなみにフィンランドの全体の人口は約550万人)
 
駅の近くはレストランやスーパーがありますが、少し車を走らせると湖や森が現れるのどかな地域です。
 

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2.  フィンランド家族の1日の過ごし方
 
AM6:00 
起床
子どももこの時間に起きます。
朝ごはんはパンにコーヒー。あとはプーロというフィンランド料理がたまに。
 
庭では鶏を飼っており、朝に卵があるか確認しにいきます。
 
子どもたちは父親でもわからない鶏の見分け方を知っていて、4匹それぞれの名前を教えてくれたのですが、私も違いが全くわかりませんでした。笑
「チキンッ!チキン〜!」と言いながら抱っこもします。かわいい、、、。
 

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とれた卵、大きさが様々です

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AM7:00 
母、父ともに仕事場へ。
このタイミングで、朝家を出るのが遅い方が子どもを幼稚園とプレスクールに送ります。
 
 
PM3:00
日によってまちまちですが、16時くらいまでには家族みんな家に帰ってきます。仕事終わりが早い方が子どもを迎えに。いつも両親で育児をうまく分担しているイメージ。
母は水曜日に自分のダンス教室も持っていました。
一階建てでリビングは広く、部屋にこもるのは寝る時のみ。家の中では、家族みんなの顔がいつも見えます。
 
 
PM5:00
夕食
ラザニアやチキン、パスタスープなど美味しいフィンランド料理をサラダと合わせていただきます。立派なオーブンがあるので、調理はではこれを主に使用。日本のようにフライパンで炒めるという行程は少なめ。
土曜日は一緒に作らせていただきました。
 

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そして、食卓の真ん中にはろうそく!フィンランドでもろうそく!
デンマークのヒュゲという言葉が思い出されます。
部屋の電気はつけず、外の明るさとろうそくの灯り。とても落ち着いた空間です。
 
 
PM7:30
子どもたちは早めに就寝。母、父は3人の子どもを寝かせつけるために寝室へ入ります。9月なのでこの時間でもまだ外は薄暗いです。さらに緯度が高い地域では、夏に太陽が沈まない白夜が見られます。
 
 
PM8:30
子どもが寝た後は、リビングでワインを飲んで映画を見たり。家の中にあるサウナで一息ゆったりしたり。夫婦での時間や、自分の時間もすごく大切にしています。
 

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家の横にはサウナで使う薪がたくさん



PM10:00
就寝
明日の仕事に備えてゆっくり休みます。
 
 
 
3.  休日のお出かけ、それは、、、
 
休日はこれに加えて普段スクールに行く時間を使い、散歩をします。
現在のフィンランドの気温は9℃、しっかりと防寒対策をして外へ。
 
 
そして、
「さあ、お出かけするわよ。」と出発し、1本道をぐんぐん進む。
 
辿り着いたのは、森の中。
 
 

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私のイメージでは、外に出るとなるとせめて遊具のある公園に行くのだろう思っていました。
 
何もない、誰もいない、森の中です。
あるのはキノコや、大きな石、フニャッと曲がった木。
時々、木漏れ日が差し込んでくれるそんな場所。
 

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遊具がなくても、子どもたちは自然と触れ合い、自ら遊び場に変えていきます。
デンマークの森のようちえんではありませんが、「こうして森の中で遊ぶことで子どもたちは学び、発見し、挑戦し、感性が育つのよと」母親は話してくれました。
1歳の子どもが転んだ時、いつでもすぐに手をかさず、自分で立ち上がるのを見守る母と父の姿が印象的でした。
 
 
 

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森で気に入った石を集めてお店やさんをしてくれます

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こちらは木で作るお家




 
 
ちなみに、全く遊具を使わないわけではなく、お庭にはブランコやトランポリン、部屋には体操選手が使うみたいなリングもあり、これらでもたくさん遊びます。
2つの輪っかで何通りも遊び方を見出せる子どもは天才です。
 
 

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まだ1週間ですが、温かい家族の元で幸せなゆったりとした日々を送っています。

 

今まで忙しいを理由に全く帰省していなかったのですが、帰国した際には、自分から家族との時間を作りたいと思えるそんな今日の午後でした。
 
 
 

大人のための人生学校、デンマークの『フォルケホイスコーレ 』とは?



デンマークレポート続きです。

 


デンマークには迷える大人のための学校、フォルケホイスコーレがあります。ツアー内で視察に行ってきたので、遅ばせながらまとめます!

 

 

 

はじめに、フォルケホイスコーレって?


なんだか長くてややこしい名前だけれど、どんな学校なの?

ということで、特徴を4つ挙げてみます。

 

  • 17歳以上(学校によって多少異なる)であれば、誰でも入学可能
  • 入学試験、卒業条件、成績がない
  • 全寮制(先生も半数はフォルケで寝泊まりし、共同生活を行います)
  • 国籍関係なく国からの助成金を受けることができる

 

 

その中でも私たちが訪れたのは、グルントヴィホイスコーレ。

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学校の至る所にグルントヴィの肖像画がありました。

フォルケホイスコーレは、グルントヴィの「生のための教育」という思想のもとに作られたのが始まりとされています。そんなグルントヴィが立ち上げに関わった、歴史ある学校の1つ。

政治哲学、アート、音楽を探求したい人が集まるのがこの学校の特徴です。また、写真を専攻している生徒さんたちは、11月に東京で撮影もするそうで、日本を訪れるのを楽しみにしていました。

 

それぞれの部屋や、活動の様子も見学させていただきました。

 

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アートの部屋

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音楽の部屋

 

時代が変わるとともに人気な教科も変わり、現在はジャーナリズム、写真・撮影などが人気だそう。学校によって教科は大きく異なりますが、音楽、スポーツ、アウトドアなどもあります。

 

 

 フォルケの更なる特徴としては、、、

好きなことができる環境作り


それぞれの学生がやりたいことを選び、グループになります。授業外でもグループごとに話し合ったり、イベントしたり、好きを追求できる環境があります。

 

国籍や年齢もバラバラなので、あらゆる人との関わりも共同生活する中で、学ぶことができます。大きな1つの家族みたいといっても過言ではないほど、そこには暖かい雰囲気がありました。

 

先生と生徒の関係は対等 

 

デンマーク教育機関に行くと、対等という言葉をたくさん耳にします。

もちろん、フォルケホイスコーレ(以下ではフォルケ)でも先生が教えるだけでなく、学生から考えをもらい、刺激しあえる関係だというお話を聴きました。先生の採用時も、社会経験をたくさんしているかどうかが重視されます。

 

また、いつでも相談できる担当教師がおり、悩みがあったり、やりたいことが変わったりした時には、気軽に話し合える関係を築いています。 

 

実はデンマークでも、1960年代までは先生が生徒に教える一方通行の教育をしていました。その中で1968年に教育改革があり、対等な関係へと変化。制度で決められたなどではなく、国民の力で徐々に風潮が変わっていったそうです。

 

 

 

訪問時に、フォルケに通う人たちになぜここにいるのかお伺いしました。

すると、、、

 

 

「仕事に疲れちゃった」

「何となくカメラを勉強したいからきた」

 

 

このような理由でフォルケに入学する人も多くいます。正直驚きました。

 

フォルケは大学につなげるための学びではなく、幅広い興味を試せる場所、教養を学べる場所。

だからこそ、フォルケを卒業した後は大学に進学する人もいれば、旅に出る人もいる。本当に自由なんです。

 

 

デンマークの学業を終える平均年齢は28歳〜29歳。大多数の大人は、色々な経験をしてから社会に出るべきだと考えています。

目的が分からなくても、好きなことを学びたいから通ってみる。そんなちょっとの寄り道が人生をさらに豊かにしてくれるのかもしれません。

 

 

最後に、、、

「フォルケに入学したい?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか?

今ある自分の生活を少し横に置いて、飛び込んでみたいと思えますか?


私は、このような自由な環境に少し羨ましい気持ちがありながら、「フォルケで何を得て、その先どうなるんだろう?」と、未来を考え、どこか不安になってしまいます。「何のために」そこに行くのか、はっきりと答えられないと行ってはいけない気がして。

 

フォルケに通う人たちは、今にベクトルを向けてとても楽しんでいるように見えました。立ち止まる期間が人生を豊かにしてくれると考えていました。どの生き方が良いとは言えず、人それぞれで正解のない問題ですが、今をひたすら大切にするフォルケの生徒さんから学ぶことは多かったように思います。

 

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そしてなんと、

現在デンマークに留学している友達との繋がりで、フォルケに3日間ほど行かせていただけることになりました。12月、またデンマークに戻って少し滞在することになりそうです。

 


色んな地での縁を大切にし、それこそ、今を精一杯!楽しんでいってきます。

 

では!!


 

 

 

デンマーク、森のようちえんを訪問!

 

フィンランドで元気にやってます。しげりこです!
 

デンマークでの学びを少しずつシェアしていきたいと思います。
 
ツアーで1日目に訪れたのは「森のようちえん」
物語にもでてきそうなメルヘンな名前です。どんな幼稚園か、想像つきますか?
 
 

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そこには園舎がなく、建物は簡単な小屋のみで子どもたちは森の中に登園します。
私が訪れたのはロラン島にある私立の幼稚園でした。
 
 
小屋は園内にいくつかあり、
 

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朝に集まり、ご飯を食べたりアクティビティをしたりする場



 
 

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お昼寝をする場



 
 

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事務室・調理室(これは先生が使う場所のようでした)


 

 
森のようちえんの子どもたちは、雨の日も雪の日も外で遊びます。まさに雨ニモマケズ
この地域は雨が比較的少ないのですが、雨が降った際は「外で遊べなくて残念だね」ではなく、子どもは喜んで外へ飛び出します。泥んこになるのは子どもにとって最高に楽しいのです。
 
 
大雨でどうしても外に出られない際は、「ティティ」というテントの中に入ります。
 

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この時はみんなで火を囲み、話したり、天井から入り込む雨を眺めたり。あくまで遊び方は子どもたちのテンポに任せていて、いつでも自由です。
 
 
この時に見る雨の子どもからの感想は「きれい!」
自然の本来の美しさを普段の生活の中で忘れてしまっていたような気がします。
 
 
また、森のようちえんでは当たり前のように火を使います。
 

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日本だと危ないというイメージが先行してしまいがちですが、デンマークでは火と関わりながら知恵として覚えていきます。どうやって使うものなのか、どうしたら温かく過ごせるのかを幼稚園の時から学んでいくのです。
 
 
 
森のようちえんには決められたルールが3つ。
 
①人の話を最後まで聞く
森のようちえんでも対話を大切にしています。友達同士が遊び方を考えて教えあったり、道具の使い方を教えあったり。お互いが認め合える環境づくりをこのルールによって行なっています。叱ることもなく、喧嘩をしてしまった時も対話をして分かってもらうことを大切にしているそうです。
 
②園の線から出ない
森のようちえんはすごく広いです。道路との境界のところにだけ棒を使って線が引いてあります。
バスがついて降りると、線ぎりぎりでないところで子どもたちが出迎えてくれました。
このルールは子どもたちを制限するためでなく、安全を守るためにあるのです。
 
③先生の合図で集まる
先生は基本的に指示をしたりはしないのですが、ご飯を食べたりみんなでアクティビティをする際に子どもを集めます。この合図がまた面白い。笛などで呼びつけるのではなく、手を口に当てて「トゥルルるる」というように音を出します。ブログで伝えるのがこればかりは難しいですが、(笑)
遊んでいた子どもたちがすぐに先生の元に集まって来ていたのが印象的です。
 
 

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園内を見ていると、ある木には名前のようなものが。尋ねてみると、卒業生は紙に絵を書くのではなく、木に残すそうです。これもこの幼稚園ならではで、とても素敵でした。
 
 
学校教育ではどうしても部屋の中にいることが多くなってしまいがちですが、ここでは、「自然があって、その中に自分がいる」ということを潜在的に学べるのです。自分で体温調節をしたり、自然に適応しながら生きることが自立の第一歩に繋がるのだと学びました。
 
今回は森のようちえんでしたが、海辺には「海のようちえん」もあるそうで、想像するだけでもワクワクしてきます。
帰国したら、ぜひ日本にもある森のようちえんにも訪問したいと思いました。
 
 
では、今日はこの辺で!