shigerico blog

9月1日に日本を発ち、教育の在り方を探求する旅をしています。日本の教育に還元できるようなヒントを見つけたい!という想いから、北欧を中心に教育現場をまわります。

フィンランド小学校でのモンテッソーリ教育、その教具が実におもしろい!

 
 
どうも、しげりこです。
現在、フィンランドの小学校で1ヶ月のインターンをさせていただいてます。
 
 
その小学校の1、2年生のクラスでは、学校の意向でモンテッソーリ教育が取り入れられています。面白い発見と学びがたくさんだったので、今日はそのクラスについてシェアしたいと思います。
 
 

1.   モンテッソーリ教育とは?

 
医師であり、教育家でもあるマリア・モンテッソーリが考案したのが始まり。「子どもには、自分を育てる能力が備わっている」という「自己教育力」の存在をモンテッソーリ教育では前提としています。
 
詳しくは、日本モンテッソーリ教育綜合研究所のサイトでまとめられているので、こちらを参考にしてください!
 
 
日本でも実施している園がたくさんあるようです。
 
 

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そしてここは、わたしが入らせてもらっているクラスの教室。
フィンランド語や算数の授業に加えて毎日1時間ほどモンテッソーリの時間があります。
 
やってみたいと思える環境づくりを大切にしていて、子どもたちは自ら教材を選び、取り組んでいました。
 
 
ここがポイント!
・完全な個人学習かと思えば、毎日違う人と学年を超えてペアになり、教えあう姿がたくさん見られる。
→ 個人学習よりも共同学習のイメージでした。
 
完全に自由というわけではなく、子どもたちは張り出されたものの中から今日取り組むものを決める。
→ 何をしていいか分からない子はおらず、子どもたちはすぐに学習に取りかかっていました。
 

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紙に書かれているのが、今日のモンテッソーリ教材



それぞれ段階を踏んでステップアップしていける仕組みになっているそう。

このモンテッソーリ教育の仕組みは複雑で、このクラスの担任の先生は10年間通常クラスでの教師をした後に、2年間モンテッソーリの勉強をして今に至ると話してくれました。
 
 
 
 
そして何といっても、このモンテッソーリで学んでいる時間、子どもたちの集中力がすごい!
 
 
やりたくないという子どもはおらず、みんな教材に夢中でした。教材がたくさんありすぎるので取り合いになることもなく、料理バイキングのように自分の好きなものを手にとって、子どもたちは学習し始めます。
 
任せすぎない自由があり、この考え方は日本でも活かせそうな気がします。何でもやっていいよと言うと、子どもたちは逆に迷ってしまうので。
 
 
 
 

2.   数は100以上!?モンテッソーリ教具

 
子どもは毎回異なる教材に取り組んでいます。一体この教室内にはいくつの教材が用意されているのか?
 
ズバリ!先生に尋ねてみました。
 
 

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すると、
 
先生:「わたしも分からないわ。でも1つの棚で、1、2、3(数え始める) ……… 10個以上あるわね。」
 
 
 
 
とのことで、教室に棚はこれまた10個以上あるので、教材は100を超えます。
100個以上メニューがある料理バイキング、そりゃ楽しくて行きたくなっちゃいますよね。
 
 
今回、全部を紹介することはできないので、わたしが見たうちのいくつかを紹介します。
 
 
 
フィンランド語の学習教材
 

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絵を見て単語を作ります。紙に書くのではなく、並べることで手先の感覚も養われると先生は話してくれました。色の違いは母音と子音を表しています。
 

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フィンランド語は、単数形と複数形では大きく語が変わる厄介者。実際に自分でものを並べ、その違いを覚えていきます。
 
 
 
②算数の学習教材
 

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視覚的、感覚的に捉えることができるブロック。これが本当に算数の学習に重宝する!!
100という数、1000という数、書くのは簡単だけれども、実際どのくらい大きい数なのか。子どもにとって一発で理解できる教材です。
 

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1〜10まで、それぞれの数で繋がったブロックもあり、様々な計算に利用することができます。
 
そして、1週間子どもを見ていると変化が!
はじめは二桁の足し算に苦労し、ブロックを使って1つひとつ数えていた子が次の週ではほとんど使わずに計算できるようになっていました。日本でいうそろばんに近いのかもしれません。
 
 
 
③教養を身につける学習教材
 

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生活科のような授業はわたしが見た中ではありませんでしたが、哺乳類や爬虫類など、生物の分類もモンテッソーリ教材を使い、低学年から行なっています。
 
 

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こちらは本物のキノコ。実際にどの種類のキノコなのか、写真を見ながら考えていました。果実のベリーverもあり、これらが自然に溢れているフィンランドならではです。

 

 

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動物の名前もミニチュアのアニマルたちを使って。これらの学習はフィンランド語の学習とも絡んできそうです。

 
 
 
④感覚を身につける学習教材
 

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最後に、とても面白かったのがこちら。
 
やすりの粗さが同じペアを目隠しをして手の感覚だけで見つける教材。わたしは2ペアしか合わせることができませんでした(笑)
とても微妙な粗さの違いなんですが、子どもたちは手先で敏感に判断していました。中には一瞬で全部正解する子も。
 
 
先生は教科書からではなく、実際にものに触れて感覚的に学ぶことが子どもにとってすごくいいと話していました。算数は特に、平面の教科書ではなく、立体の図形を触って、並べて、はじめて理解する子がたくさんいます。
 
 
 

3.   モンテッソーリ教育を成り立たせている背景

 
ここで1つ疑問。
 
公立小学校にも関わらず、この100以上の教材を準備するお金は一体どこからきているのか?
 
 
先生に尋ねてみると、全て学校が買っているそう。つまりは学校にお金を支給する自治体や国から。モンテッソーリ教育をするということを提示し、他の学校よりも少し多くのお金をもらっているそうです。
 
 

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上の写真は、子どもが教材に取り組むと色を塗っていくシステム。
 
緑:とてもよくできた
オレンジ:よくできた
赤:もう少し
 
となっています。自分で評価して色を塗り、できていないところは改めて先生がサポートします。
 
 
 
また、この学校は低学年2クラスあり、モンテッソーリを取り入れているクラスとそうでないクラスがあります。どのようにクラス分けを行っているのか聞いたところ、この学校では入学時に親に向けて希望調査をしているそうです。
最終的な判断は校長先生がするものの、毎年それなりにうまく別れていると聞きました。
 
もう1つのクラスでもフィンランドならではと思わされる場面がたくさんあったので、こちらはまた発信します。
 
 
 
 
フィンランドでの生活もいよいよ折り返し。
国の制度は全く違うけれど、何か日本へのヒントになりそうな部分を考え、探し続けたいと思います。
 
 
では、今日はこの辺で!(^^)