日本一の自由な学校!?きのくに子どもの村学園へ!
こんにちは!
お久しぶりです、しげりこです。
5月に入ってからは、現在携わらせていただいている塾や体験活動で子どもと関わる機会が多くなり、ぽっと飛び出た発言に「なるほどなぁ~、おもしろいなぁ~」と思わされる日々です。
お久しぶりの今回は、きのくに子どもの村学園レポート!
自由学校という代名詞を持つこの学校、わたしがとても行きたかったうちの1つです。
半年ほど前、ヨーロッパの学校を巡る教育留学でイギリスに行った際、その1番の目的が サマーヒルスクール(きのくに子どもの村学園がモデルにした、世界で一番自由な学校)への訪問でした。
しかし、ビザの関係で空港にて泣く泣く入国できず、、、
年3回のサマーヒル見学日に合わせて渡航したものの、ここでは断念。
半年後しに、
舞台は日本、サマーヒルと同じく自由学校と言われるきのくに子どもの村学園へ訪問することができました。
どんな学校なの?
和歌山県の橋本駅に到着、タクシーで20分ほど山の中を進んで行きます。
狭い道を通り抜け、突如現れたのが、手作り看板を取り付けた校舎。
これから楽しい探検が始まりそうなわくわくに駆られました。
玄関を抜けると、朝からのこぎりや金槌の音が校舎に響き渡っています。
どうやらクラフトのチームが木を使って自分たちの椅子を作っている様子。
わたしがきのくにで素敵だなと感じたことの1つが、プロジェクトでクラスが形成されていること。
小学部では、
・劇団きのくに
・クラフト館
・おもしろ料理店
・工務店
・きのくにファーム
という5つのプロジェクトがあり、興味のあるものを子どもたちが選び、1年を通して活動します。ここでは、1~6年生の異年齢学級が形成されていて、共同で活動する中で上級生がサポートしている姿もたくさん見られました。
おもしろ料理店では、この日はパン作り。
グルテンの量を変えて7種類のパンを作り、仕上がったものを食べ比べてみます。対照実験を行うためには、こねる時間や発酵する時間を同じにしなくては!と実験において必要なことも学んでいました。
もちろん、カレーを作ったのも、店員さんも子どもたち。
コップにたっぷり入れてくれたジュースと合わせて、とても美味しくいただきました!!
世界のカレーや、スパイスについてA4用紙にびっしり書いている子もおり、次回訪問した時にはまた違う味のカレーが登場するかもしれません!
写真はありませんが、この喫茶店の建物自体も子どもたちが議論を重ねて長い時間をかけて作ったものです。
「店は洋風にするか、和風にするか?」
「屋根は瓦がいいけれど、重くて自分たちで作業するのが難しくなりそう、どんな材料を使うのがいいだろうか?」
予想以上に本格的な建物なだけに、これを子どもたち主体で作ったのかと目を見張りました。
こちらはクラフト館の子どもたちが作ったミュージアム!
今年の3月に完成した出来立てです。
中にはクラフト館クラスが作った作品がずらり。どれもオシャレで、思わず欲しい!と思ってしまうものが沢山ありました。
このような、クラス単位で1年間かけてプロジェクトを行う共同学習では、
子どもの好奇心や、やりたいという気持ちからプロジェクトを選択しているから、やっていてどんどんおもしろくなります。
学習指導要領を全部網羅しているかと言われれば決してそうではないですが、家を作る過程・料理をする過程で計算が必要だったり、陶芸で弥生土器を作って歴史に触れてみたり。プロジェクトで学ぶものの中には、時に小学生の域を超えた学びをすることも!
これこそが、学びの本質だなぁ〜と感じることが多かったです。
きのくにの時間割って?
これはおもしろ料理店クラスの時間割。
週の半分はクラスごとのプロジェクトを進めます。
フリーチョイスではアトリエやダンス、ボードゲームから漫才まで!
興味のあるものをコマごとに選びます。
大学で授業を取るのと同じイメージで、クラスを超えて様々なメンバーで学んでいきます。
基礎学習では、わたしの見学時には低学年と高学年のクラスに分かれて漢字のプリント学習をしていました。本を読んだり、計算したり、内容は日によって様々です。
先生が前に立って教授するというよりは、子どもたち同士アットホームな教室で話しながら学習を進めている印象でした。
金曜日の最後に旅行の話し合いとありますが、行き先を決めるのも子どもたちです。時間や予算を考慮しながら、行きたい場所とその理由を話します。
行き先候補には、すでに子どもたちの意見がびっしり。
きのくにではお出かけする日がとても多く、(学校が持っているマイクロバスがあるのでそれを使うことも!)日本地図には既に行った場所に付箋が貼られていたのですが、この2年で北から南まで10箇所以上に印が!
実際に足を運び、見て、聴いて、触れる体験も多いようです。
自由な学校って?
自由な学校だからといってルールがないこととは違います。
え?ルールがなくて、自由度が高いって意味じゃないの?
そう思ってくださった方へ、
なんと!きのくにには2019年4月の時点で、100以上も決まりがあるそう。これにはわたしも驚きました。
しかし、この100以上の決まりの全ては子どもたちが話し合いで決められたものです。きのくにには、週1回の全校集会で、困っていることや提案を議題に出し、みんなで話し合う時間があります。
例えば、
スマホは寮の部屋など、プライベート空間でしか使ってはいけないというルール。
これは半年間かけてじっくり子ども達で議論し、みんながより良い学校生活を送れるように設定されたきまりです。
上から与えられた決まりではなく、自分たちで作った決まり。
だからこそ、みんなで大切にするし、決まりは自分たちを制限するものではなく、幸福感を増進するためにあることを理解しているように感じました。
7割が寮生活、きのくにの子どもたち
きのくに子どもの村学園では、7割が寮生活、3割が自宅から通っていると言われています。また、7割の寮生のうち週末は実家に帰る子もいれば、遠方なので月に1度程度しか帰らない子どもも。
わたしたちと同じ時間に見学に来ていた入学を検討している親御さんが、「寂しくならないですか?連絡は取れますか?」と先生に質問。
入寮させるにあたり、とても気になるところだと思います。
それに対して先生方は、連絡を取るほうが帰って寂しくなると言う子が多いとおっしゃっていました。
わたしからもきのくにの子どもに、「寮はさみしくない?帰りたくなることはある?」と質問したところ、「逆に帰りたくなくて泣いたことならあるよ!」と言う衝撃の回答!!
他の子たちも、寮はとっても楽しいと嬉しそうに答えてくれます。
朝ごはんを毎朝みんなで作ったり、同じ部屋の子たちとお話ししたり、遊んだり。
この共同生活もきのくに子どもの村学園の大きな魅力だと感じました。
色んな思いを抱えてきのくにに見学に来ていた子どもと親御さんだと思いますが、昼休みが終わる頃にはずっと前からきのくにに通っていたかのように、子どもが全力で遊んでいる姿が!
この場面こそ、きのくにのが子どもにとって楽しくて、過ごしやすい安心の場であることを表してくれているようでした。
今回の学校訪問で、また新たな学びの形を知ることができました!
正解はないからこそ、それぞれの学校にそれぞれの特色があり、おもしろい。
色んな場所で、色んな可能性を探りながら、わたしが子どもたちと一緒に作っていきたいなぁ~という学びの形を見つけられるといいなと思います!
次回は、昨日訪問させていただいた箕面子どもの森学園についてお話しできればと思います。
ぜひぜひ、また覗いてみてください(^^)
それでは!今日もいい1日を♩