わたしが見たイエナプラン教育 ①
あけましておめでとうございます!
しげりこです!
こちらは弟から送られてきた六甲山からの初日の出です。とても美しい、、
一方で私は、
おおお、、、!
奈良公園から、鹿さんに並んで初日の出を拝みました。
ずっと西の方角で待機してしまうという新年早々の大失態でしたが、今年もなんだか楽しい1年になりそうです。
昨年は海外に3ヶ月間滞在し、フィンランド・デンマーク・オランダの教育を体感できたことは本当に貴重な経験でした。
少し時間があいてしまいましたが、発信を再開します。
楽しく見ていただける記事になるよう、頑張ります!!
新年1回目の投稿はオランダ教育について。
何回かのシリーズに分けて書いていけたらと考えています。
さて、皆さんはイエナプラン教育というものを聞いたことがありますか?
イエナプラン教育とは、ドイツにあるイエナ大学の教育学教授が創始した教育法のことです。このイエナプランを積極的に取り入れ、普及させたのがオランダでした。
現在、オランダにある10%の学校がオルタナティブ教育を実施しており、そのうちの3割(全体の3%、およそ200校)がイエナプラン校であると言われています。
*オルタナティブ教育
主流・または伝統とは異なる教育
そして、日本と大きく異なる点に気づきますか?
そう!!
オランダの小学校の約7割が私立の小学校なのです。
なぜこんなことがあり得るのか?
オランダには
① 学校設立の自由(200人以上の子どもが集まれば、誰でも学校を作って良い)
② 教育理念の自由(宗教に限らず、他のことで特徴を出して良い)
③ 教育方法の自由(教育内容、教材の裁量権が自由)
という3つの自由があります。
私立だからといって、国の援助は公立と変わらないので自分の通う学校を私立校だと意識していない人もいました。
学区もなく、子どもや保護者は自分で行きたい学校を選ぶことができます。
公立と私立の学校が隣り合わせにして立っていることもあるようで、かなり驚きました。
実際は多くの子どもが徒歩や自転車で通っていたので、通える範囲の学校に行くことが一般的かもしれませんが、教育法が合わなかったりした子が転校したというケースもあることを聞きました。
また、イエナプランには20の原則というものがあり、この原則に基づいて学校運営が行われています。(下記は20の原則の1項目)
こちらのページで20の原則の続きはもちろん、さらにイエナプランについて詳しく知ることができるので気になる方はのぞいて見てください。
掲載されている動画は特に分かりやすいです!
↓
次に、オランダのイエナプラン教育の特徴についてお話しします。
① 異年齢学級
② リビングルームでのサークル対話
③ 循環的な時間割・自分だけの時間割
④「学ぶことを学ぶ」ための総合学習
今回は①を中心に、ネットで得られる情報ではなく、私が現地で実際に見たこと・聴いたことを伝えていけたらと思います。
①異年齢学級
イエナプランの教室は大きな家族ルームのようです。
クラスの年齢構成はこのようになっており、3学年(4、5歳は2学年)が同じ教室で学びます。
日本なら、学年ごとに教室の位置が決まっている学校が多いイメージですが、イエナプランの学校では教室配置もバラバラ!
4歳、5歳クラスの隣が9歳〜12歳クラスの教室ということもあるのです。
読書の時間では自分の教室で座って本を読む時間もあれば、隣のクラスに行って小さい子に本を読んであげる場面も見られました。
そんな教え合い、学び合いが学校全体で浸透しているイメージです。
では実際に授業はどのようにして行われているのか?
学年が違うのに同じことを学んでいては学力が身につかないのではないか?
そう思った方は少なくないはずです。
教科ごとに説明していきます。
◇ 算数 ◇
算数では先生の解説が必要な授業だけは、学年ごとに授業が行われています。算数の時間になると、2つの学年が別の教室に行き、他クラスの同じ学年の子達が教室にやってきます。1〜3年生は週2回が同じ学年で学ぶ授業でした。4〜6年生になると学習も難しくなるので、週4回学年ごとの授業が行われます。
同じクラスで学習する際も、先生が1つの学年を集めて真ん中で教えるような授業もありました。
◇ その他の授業 ◇
ちょっと待って!?ざっくりすぎない!??
そう思わせてしまったかもしれませんが、算数以外の授業は基本的に3学年みんな一緒に学習します。
そして、学習するときに使われるナイスアイテムがこちら!
一見ただのマークがついたサイコロに見えるかもしれませんが、これがすごいんです!!学校のみんな1つずつ持っており、学習する際に使います。
● 今集中しているから話しかけないでね
● ちょっと分からないから助けてほしいな
● いつでもなんでも聞いてね
? 先生来てほしいな
という意味を持つ4つのサイン。
緑の子が黄色の子に教える場面をたくさん見かけました。
教室内の席配置は島が6つ(4〜5人×6班)ほどあるのですが、その班内も3つの学年が合わさるように構成されていました。
兄弟のような関係で、教える・教えられるの姿が常に見られます。
学年の違いがあることで、
・分からなければ聞いてもいいこと
・分からない子がいれば教えてあげること
を体感しながら毎日の学校生活で学ぶことができると先生は話してくださりました。
分からないことは恥ずかしい、聞けない。
そんな子どもを0にできる仕組みだなぁと感じます。
そもそも学年が違うので、差があることは当たり前。「それ分かるよ!教えるよ!」と分からない子に優しく話しかける子どもの顔が印象的でした。
最後に、
先生にクラス替えをするときに、クラス内での立場が変わり(1番上から1番下に)GAPを感じてしまう子はいないのか?という質問をしました。
低学年クラスから中学年クラスへ
遊びの割合が減り、勉強が増えるので遊びたくなってしまう子どもはいるが次第に慣れていくそう
イエナプラン自体が自分で学習する順番を決めたり、やりたい学習をする選択の幅が子どもたちに与えられているので、日本の1つの問題である小1プロブレムは比較的起こりにくいのかもしれません。
詳しくは、
③ 循環的な時間割・自分だけの時間割
の時のブログでお伝えします。
中学年クラスから高学年クラスへ
実はこのクラス替えのタイミングで、高学年クラスはキャンプなど自然の中での校外学習を行います。このアクティビティや共同生活を通して一気に家族感が増すんだよということを聞きました。
以上が ① 異年齢学級 についてです。
インプットだけでなく、アウトプットすることで学びが最大化するということを最近私自身もひしひしと感じているので、常に教え合える環境である異年齢学級のメリットは大きいように感じます。
大人も子どもも、年齢関係なくみんなで自分の得意なことを活かしながら学びあえるような機会環境をいつか作りたいなぁと思ったり。これから楽しく構想していきたいです。
次回は ② リビングルームでのサークル対話 についてお話しします!!(^^)