shigerico blog

北欧を中心に、幸せな生き方と教育の在り方を探求する旅をしていました。現地で見て、聞いて、感じた学びを発信しています。共に学び、応援し合えるごちゃまぜ共創空間をつくりたい!

わたしが見たイエナプラン教育 ②



新成人のみなさん、成人おめでとうございます。
はたちの自分はどんなだったかな〜と昨日1日振り返っていました。
 
2年前の20歳、わたしは海外に行ったことがなく、大学から始めたよさこいに、ただひたすら夢中になっていました。
 
・チームとして初めての大きな舞台への出場を決め、何ヶ月もみんなで練習したこと
・本番直前に、みんなの素直な想いを毎日共有し、1つの目標に向かって進めたこと
 
 
もっと早く、海外に飛び出してみたり、いろんな大学や社会人の方と出会えていればと思うこともありますが、1つのことに夢中になったこの時期が今のわたしを作ってくれていることも確かです。
今後も、自分の周りにいてくれる人たち、想いを語り合える仲間に感謝しまくりたいです。いつも本当にありがとう。
 
 
 
前回はイエナプランの4つの特徴をあげました。
①異年齢学級
②サークル対話
③循環的な時間割・自分だけの時間割
 
今回はイエナプラン教育の②サークル対話について書きたいと思います。
 
 
 
サークル対話って?
 
4歳から12歳まで、全てのクラスでほぼ毎日行われていたサークル対話。
 
教室で円になってクラスみんなで話し合う時間です。

 

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普段はみんなの机は島のようにグループごとに配置されているのですが、サークル対話の時間になると椅子を持って教室の真ん中に集まり、大きな円を作ります。
 
 

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普段はこんな感じです。
 
どんな話をするのか?
 
話題を特に決めずに話し合うこともありますが、わたしが見たものは曜日ごとに話し合う内容が決められていました。
 
(月)自由サークル
(火)ニュースサークル
(水)読書サークル
(木)将来サークル
(金)イベントサークル
 
※たまたま私が訪問させていただいた週がこのような内容であり、時期やクラスの状況によって話す内容は異なります。
 
 
月曜日は比較的自由に話し合う時間、週末にどんな過ごし方をしたか話したり、わたしがこのクラスに入った初日でもあったので日本のことをたくさん質問してくれたりしました。
 
 

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ニュースサークル・読書サークルでは、順番に気になったニュースや本を子どもたちが準備してきます。それに対して、発表者のクイズに答えたり、気になったところを質問したりする機会がサークル対話の中でありました。
 
 
将来について話すサークルの時間も見させていただきました。
あくまでも話したい子が、将来の夢や興味を持つようになったきっかけなどを話していました。「まだわからない」と発言していた子もおり、自由な安心して発言できる場づくりが行われていたことが分かります。
 
 
イベントサークルでは、ステージでクラスの出し物としてどんなことをしたいか話し合います。このイエナプラン校では、毎週(少なくても2週間に1回)全学年での集会があり、子どもや先生がステージで出し物をします。
劇をしたり、ダンスをしたり、歌をうたったり。何をしたいかもサークル内で話し合われていくのです。
 
 

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出し物で劇をしている様子
 
 
サークル対話の魅力とは?
 
一見、日本の学校での学級会や朝の会・帰りの会での役割とそんなに変わらないんじゃないの?と思うかもしれません。
私が小学校の時も、日記をみんなの前で発表したり、どんな出し物をしたいか話し合ったりする時間が確かにありました。
 
 
オランダで見たこんなエピソードがあります。
 
ニュースサークルで、4年生の子が発表するときに始めから口を開こうとしませんでした。みんなはその子のことを見ています。
すると、隣の5年生の子が一言、「一緒に読もう」と話したのです。「交互だったら読める?」と尋ね、担当の子は頷きました。自分のできる範囲の挑戦をその4年生の子なりに頑張っているように見えました。
 
 
これが前に出て発表する形式だったらどうでしょう?みんなの視線に耐えられなくなって、余計読めなかったかもしれません。
円になることで、クラスの距離がぐっと近くなり、今この子がどう言う気持ちなんだろう?と言うことを学校生活の中で分かるようになっていくのだと感じました。
 
その例の1つに、4歳・5歳クラスでは、先生が1人の子どもを膝の上に乗せてサークル対話をしている場面を何度か見かけました。
「なんでその子だけ?ずるい!」と他の子に思われてしまっても仕方ないと思う光景ですが、今あの子には先生の膝が必要なんだなと言うことを子どもたちは理解します。それも、サークル対話で1つの円になり、みんなの顔を見ながら話す習慣がついてるからではないかと感じました。
 
 
 
私が見たこんなサークル対話!!
 
今回は4・5歳クラスの対話について言及します。
 
4歳・5歳の子がサークル対話をしている様子、想像つきますか?
私も多くの子どもが手を挙げて自分の意見を言っているその姿には正直驚きました。
 
 

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これはこのクラスでサークル対話での発言を促すアイテム。
 
クラスに対する不満
褒めてあげたいクラスメンバーや出来事
質問やこんなことしたいの提案
 
これを事前にカードに書いておき、サークルの時間にそのカードを見ながら自分の考えを話します。賛成か反対か手を挙げたり、さらに追加の意見を述べている子がいました。
 
イエナプランの教室はリビングルームとも言われ、このようにサークル対話で話し合い、みんなが過ごしやすいようにみんなで作る教室」なのです。
 
 
バースデーサークルもありました。
誕生日の子がいれば、頭にケーキの帽子をかぶり、みんなで歌をうたい、サークルの真ん中で灯したろうそくの火を消します。みんなで祝い、喜びを共有するあたたかい時間でした。
 
また帰りの時間には作品サークルがあります。
4・5歳クラスは特に活動の中で、アートや工作など色々なものを作ります。
作品ができたら、随時教室の真ん中に置かれているボックスに入れます。それを帰り際に1つひとつ取り出し、みんなの前で「これは誰が作ったのかな?」と先生が聞き、みんなに作品を紹介するのです。自分が作ったものをみんなに見てもらえたら嬉しいですよね。
作品に限らず、「今日こんなことを頑張ったよ!!」と話す時間をとても大切にしています。
 
 

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わたし自身が子どもの時、手をあげるのにかなりの勇気が必要なタイプでした。今でも人の表情や気持ちを伺いながら、言葉を発することが多く、伝えたいニュアンスが変わってしまったり、人の意見に流されてしまうこともよくあります。
 
 

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子ども時代に何でも発言していいとされる自由で安心できる場は、自分の意見を大切にする・仲間の意見も大切にする力をつけるために、とても必要なものだと感じます。
 
 
教育現場に限らず、輪になってみんなの顔を見ながら話せる環境づくりを、日常に少しずつ取り入れていきたいと思います(^^)
 
 
それでは!!!