shigerico blog

北欧を中心に、幸せな生き方と教育の在り方を探求する旅をしていました。現地で見て、聞いて、感じた学びを発信しています。共に学び、応援し合えるごちゃまぜ共創空間をつくりたい!

わたしが見たイエナプラン教育 ③

 
こんにちは!しげりこです。
今日はスケジュールを大胆に間違え、ただ大阪に出てきて帰るという電車の旅をしていました。(被害が自分だけでよかった、、!笑)
スケジュール管理気をつけようと改めて思えたことにありがとうをして、車窓から夜景キレイスポットを眺めて帰ります!
 
 
前回、前々回で ①異年齢学級、②サークル対話 についてお話ししました。
今日は ③循環的な時間割、自分だけの時間割 についてです。
 
 
イエナプランには、4つの循環的な活動があります。
 
1 会話(前回紹介したサークルになって行う対話)
2 遊び
3 仕事(勉強)
4 催し(学校イベント)
 
 
 
これらの繰り返しがイエナプランの特徴の1つです。
循環的に活動するために、時間割は科目別では区切られていない・4つの活動のリズミックな交替をもとにして作られるということも事前知識として渡航前に学んでいました。
 
 
「科目ごとの時間割がない」
という情報をネットでよく目にしていたのですが、オランダの学校を訪問する前までは、あまり想像できずにいました。
 
 
そんな情報を確かめに、いざ!訪問!!!
 
 

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これは 4歳・5歳クラスの1日の流れ です。
 
仕事(勉強・作業)→サークル対話→遊び→昼食→仕事(勉強・作業)→サークル対話
というようなスケジュールでした。
日本の一般的な学校の、勉強→勉強→休み時間→勉強→勉強などではなく、確かに循環的に上記の4つの活動が行われています。
 
 
遊びは基本的に外に出ます。グラウンドの使用できる時間がクラスごとに決まっているのでその時間に合わせて時間割も柔軟に組まれていました。
 
 
 
勉強ではどんなことをするのか?
 

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4歳・5歳のクラスでは、子どもが自分でやりたい活動を選ぶことができます。上の写真を見ても分かるように、ビーズ、工作、コンピューター、ブロック、砂遊び、粘土、パズルなどなど、たくさんの活動から選択することができます。(この部分は学校とは言え、日本の幼稚園のような役割のようです!)
 
また、選んだ活動と並行して、先生がグループごとに教室の真ん中で文字を教えていました。
 
weektaakという週に3つほどは決められている仕事(勉強)があり、終わったら表にをするようにしています。
 

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6歳以上のクラスでは、時間割がより具体的に!!
 

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サークル対話→ジム(体育)→おやつ→勉強(各自資料を読んだり、調べたりする)→勉強(算数)→お昼休み→読書(マンガの日も!!)→ブロックピリオド(好きな勉強活動)→ワールドオリエンテーション(次回ブログで説明します!)
 
 
というような1日の流れになっています。このスケジュールにジムがない日があったり、音楽が入ってきたり、英語が入ってきたりします。
 

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このように年のはじめにクラスごとに1週間の時間が決められるので、科目ごとの時間割がないとは言いきれませんが、授業によっては子どもにかなり選択の幅が与えられています。
 
 
 
例えば、上のブロックピリオド!
 

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この時間は子どもたち自身で自分だけの時間割を作ります。
 
weekplanと書かれたこの紙に、どの順番でどれを学習するのかを自分で決めることができます。ものによってはページ数が書かれていたり、この語を学習するなどの指定がありますが、Nieuwsbegripなどど書かれた項目では自分のきになる最近のニュースを調べて自由な方法でまとめたりします。(ワードで文書にしてまとめたり、絵を書いたり、クイズにしている子どもがいました!)
 
評価もフィンランドデンマークと同様に自分で行うことを大切にしており、学習できたらニコちゃんに色を塗ります。
 

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また、算数などではレベル別の学習を行っていました。最低限のところだけ足並みを揃え、あとは自分にあったレベルの問題をします。教科書の基礎問題 a,b だけを解く子、発展問題の c,d を解く子がいました。
 
教室の外に出たり、仕切りのある机で勉強したり、それぞれが集中しやすい学習環境を作ることも大切にしています。
 

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なぜこんなことができるのか?
 

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これはオランダの学校が独自で決めることができる時間割合を表したものです。教科書もあれば、中核目標に沿った内容を教える授業もありますが、30%の時間を学校独自・先生独自で決めることができます。
 
サークル対話の時間をたっぷりととったり、次回説明するワールドオリエンテーションができるのも、この30%という余白が活躍してくれています。
 
 
なので、教科書以外にも学校には独自の教材がたくさんありました。
 
 

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最後に、見ていて面白かった教材を1つ紹介します。
 
オランダ語(語彙)の学習で、たくさんの語彙を学ぶことが目的の授業がありました。
 

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1冊のノートを3年間かけてたくさんの語彙を習得するのですが、この学び方がおもしろい!!
 
はじめに2人で1枚のカードが配布されます。
そのカードに記載されている学習で、このワードを使った学習をします。
 
 
例えば、

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様々な条件が書かれていますが、ワードを使ってラップを作るというものです。
 

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他にもたくさん、アートしたり、しりとりのようにワードを繋げたり。何度もノートに書いて覚えるというような学習は1度も見ませんでした。これはモンテッソーリの教材に近いものかもしれません。
 
 
モンテッソーリ教育についてはこちら
 
イエナプランのこの学校には、こういった楽しく学べる教材も校内に充実していました。1人1枚ではなく、2人で1枚のカードということもコミュニケーションが生まれるきっかけになります。
 
子ども同士のコミュニケーションだけでなく、親と子ども、親と先生も多くコミュニケーションを取っていました。送り迎えの時や、授業など、毎日ではありませんが、親も教室に入って子どもと一緒に活動する機会があります。
 

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テーブルごとに島になって親と子どもといろんなアクティビティをしている場面です。私は折り紙を担当しました!(^^)
先生や親、子ども、みんな含めて1つの大きな家族のようなクラスルームで、1週間後別のクラスに行くときにはかなりの寂しさがありました。4つのクラスに入らせていただいたので、4回寂しさに耐えました、、、
 
 
以上が
③循環的な時間割、自分だけの時間割 についてでした。
 
次回はワールドオリエンテーションについてお話します。
この言葉だけでもちょっとワクワクしますね!
 
 
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、素敵な週末を!☆