shigerico blog

北欧を中心に、幸せな生き方と教育の在り方を探求する旅をしていました。現地で見て、聞いて、感じた学びを発信しています。共に学び、応援し合えるごちゃまぜ共創空間をつくりたい!

わたしが見たイエナプラン教育 ④



こんにちは!
 
今日は、先日のちょっとほっこりエピソードからスタート。
フィンランドでのホストマザーから1通のメッセージと写真が届きました。
 
 

 
 
わたしがフィンランドにいる時に、折り紙を一緒にした女の子が作ったそう。
その時は難しくて途中で諦めてしまった女の子でしたが、わたしが帰国してから毎日練習していたそうです。
写真を撮るなり、わたしに見て欲しいと言ってマザーが送ってくれました。
 
とっても上手です、、、!!!
今は-25℃という脅威の寒さだそうですが、またフィンランドに行きたくなりました。
 
 

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10月のフィンランド。うっすら雪が積もっています。
 
 
そんなフィンランドの話は少し置いといて、今日もオランダのイエナプラン教育についてお話しします。今日は最後の特徴、④ワールドオリエンテーションについてです!
 
 
 
ワールドオリエンテーションは、「学ぶことを学ぶ」ための総合学習だと言われています。
前回、時間割についてお話ししましたが、イエナプラン教育には理科と社会の授業がなく、ワールドオリエンテーションやブロックピリオド(自分で決める時間割)の時に探求的に学ぶことが多いです。
1〜2ヶ月通して学ぶ1つのテーマが決められ、様々な教科を横断して子どもたちはそのテーマについて学びます。先生によって決められることもあれば、子どもから希望を聞テーマが決められることもあります。
 
 

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*アートプロジェクト*
 
わたしが訪問させていただいた1ヶ月の期間はアートプロジェクトでした。
学校内で1つのテーマについて学習するので、学校中がアートだらけになります。
 

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では一体どんな授業をするのか?
 
 
アートプロジェクト中に、教科を横断させながら学ぶ様子は残念ながらあまり見ることはできませんでしたが、毎日1作品と言えるほど、どのクラスをのぞいても絵を描いたり、ものつくりをしたりしていました。
絵の歴史について触れたり、読書で読んだ本を絵で表現したり、外に出かけて空気を感じながら風景画を描いたりしています。
 

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中でも、特にわたしの感性をくすぐられた授業はこちら!!!
 
 

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1枚の絵を見せて、それはどんな絵なのかをみんなで考えます。
 
「絵の中にどんなものが見えるかな?」
「どんな色が見えるかな?」
「どんな気持ちがするかな?」
「どんな音が聞こえる?」
「どんな匂いがする?」
 
みんなで1つの円になって、自分が感じる心の声を発信していきます。
1枚の絵からでもいろんな意見が飛び交い、子どもたちは「確かに〜」と共感したり、こうも見えるよ!と意見を重ねたりしていました。
 
実はなんと、4・5歳のクラスなんですこれ!!
オランダ語で子どもたちの発言を全て理解できなかったのが悔しいですが、音の質問の時にはこんな音が聞こえるよと実演してくれて、とても楽しい時間でした。
 
 
 
 
*シンタクラースプロジェクト*
 
これはプロジェクトというよりは季節の学校行事に近いのかもしれません。
シンタクラースとはなんぞや!!ってなっていると思うので、この人物については次回のブログで詳しく書きます!
 
簡単に言うと、オランダ版のサンタクロースです。
 
 
11月や12月は学校中がすっかりクリスマスモード。
ただでさえカラフルな校内が、より一層華やかになりました。
 

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そして、シンタクラースをテーマに学ぶこともあります。
 

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シンタクラースにまつわる言葉を集めて、文字を学習している場面もありました。
ただ文字を書くだけじゃなくて、スタンプを使ってワードを作ったり、絵を描いたり。時間がかかって効率が悪いと思う人がいるかもしれませんが、学ぶ中に楽しさがあることを忘れないようにしています。
 
また、アートプロジェクトとクリスマスの時期が少し重なっていたこともあり、みんなでランタンも作りました。
 

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デザインや形はクラスによって様々で、完成したものを持ち寄ってみんなで灯して歌をうたいます。これは毎年の恒例行事だそう。とても素敵なひとときでした!
 

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ここからは、わたしは直接見たものではないですが、他にはどんなワールドオリエンテーションがあるのか聞いたことをお話ししていきたいと思います。
・エジプト
・時計
・オリンピック
・恐竜(これは子どもたちからの意見でプロジェクト化したそう!!)
・小動物(春の季節に)
 
 
例えば、エジプトプロジェクト!
エジプトの歴史について勉強したり、文字について触れてみたり、ピラミッドを工作で作ってみたり。
想像するだけで面白い!!
エジプトに限らず、毎年様々なテーマがあるので、8年間でたくさんの国のことも知れるのも楽しいですね。外に出て学習することも多いので、小動物などのように季節にあったテーマ設定をすることも多いようです。
 
 
 また、フィンランドデンマーク・オランダの3カ国に共通いていますが、下のようなマインドマップを使った調べ学習もよく見られます。
 

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ワールドオリエンテーションはこれを学校規模で行っているようなもので、授業内容にも繋がりがあり、より深くその物事について知れるようになっています。
 
先生は算数や英語の授業では積極的に電子教材を使っている代わりに、このようなワールドオリエンテーションや学校イベントなどのミーティングに時間を割くことも多いそうです。
 
「何を学ぶか」ではなく、「この学びを通して何を学び取るか」→物事の学び方を知る ことが大切だと感じました。
 
学び方を知れば、他の学習でもどんどん自分で探求的に学びを深めていくことができます。
こういった学習があるからこそ、子どもたちは1つの物事に対していろんな角度から、広い視野で見る力が養われているのだと感じました。
 
 
 
以上で、イエナプラン教育の大きな特徴については終わりです。
また、印象に残った授業などは随時お話ししていきたいと思います。
 
それでは!!!